「ねぇ、夏休みどこ行く~?」
教室に入ってもなお、美紅はその事を聞いてくる。
「思ったんだけどさ~、美紅って補習あったんじゃなかったっけ?」
痛いところをついてやると、
「げっ……」
と、最悪…といったような顔をした。
まぁ、当然だけどね。
「そんな~!梨央!突き放さないでよ~!」
「ふっ…」
助けを求めてくる梨央を鼻で笑ってやった。
「ちょー!ひどー!勉強教えてよー!」
「無理~だって私そんなに頭良くないし」
「補習じゃないくせに」
「だってそんなにバカじゃないし」
「なっ!」
「お前はふつうだもんな~」
そんなくだらないやり取りをしているとあいつが入ってきた。
「うれしくない…」

