「そのボール貸しなさいよ!翔ちゃんだって突然、ボールを投げられたら取れないはずよ」



言うねぇ。


じゃ…、お手並み拝見とでもいきますか?




「俺、取れる自身あるしっ」



鈴にボールを渡した。


さて、どうする?鈴---




んっ?


そうだっ。



鈴と勝負してみっか。





「1on1で勝負しねー?」


ま、百歩譲っても俺には勝てるわけねーけどなっ。





「やる!そして絶対に勝つ!!」


「へー?勝つ気でいるんだ?楽しみだね~」



さてと…、


どこでやるかな?




この体育館だと人目につくから…。




あぁ、そういや外にバスケコートがあったよな?


そこにすっか。



立ち上がり体育館から出ようとドアに向かって歩こうとした時、俺の頭にボールが当たった。




ゴンッ!


イッテェ---



俺の頭、いい音が鳴りやがった。




これは鈴か?



鈴だな---


テメッ、後で覚えてろよ?




「お前…、やったな?」


「翔ちゃん、避けられなかったねっ」




フーンッ…?


鈴の癖に生意気な。




俺様に逆らうなんざ、十億年早いんだよっ。



今の俺、スッゲーニヤケてんだろうな---