桜の部屋にて

わたしは夢を見ていた。

どこかのお屋敷とその庭だった。
わたしはお屋敷の庭が見える縁側に座っていた。

「晴明様ぁ。」
と甘えた声で呼んでくる。
紫髪の美人。
そして、抱きついてくる。
わたしは男性だった。

「どうした?零。」
わたしは自分の言葉に
驚いた。
これが零?
美人じゃん。そして、わたしにはない巨乳じゃん。

「今日こそ、わたしをもらってくれるわよねぇ。」
と巨乳を押し付けてくる。

「わかった。わかった。後でな。
ここにはみんないるからな。」
そうここには十二神将全員がいた。
わたしにはその全員の名前がわかった。

椿、真美、零、蓮、香澄、律、渚、景、海來(みく)、空、俊(しゅん)、睦(むつみ)。

それもそうか。わたしが付けたのだから。

「どうしたんですかぁ?晴明様。」
と心配そうに零が覗きこんでくる。

「なんでもないよ。零。」
とわたしは零の頭を撫でる。
柔らかい。

「ずるい、零。僕も撫でて。」
と黄色い髪の少年が擦り寄ってくる。

「わかった。空。おいで。」
と零を横に座らせ、空を膝に座らせて空の頭を撫でる。
「えへへ。」
空は嬉しそうだった。