桜。兄達に襲われる?

ある日のこと。

兄達に呼び出された。

その頃は魔力も前世の記憶もなく、いじめられていた。

(今日もまた。いじめられて終わりだろう。)
とそう思っていた。

だが。
この日は違った。

いきなり。ドレスを破られた。

そして、一番上の兄サトルが胸を揉んでくる。
逃げたかったが手と足を手錠で壁に繋がれていた。

「何をしてるの?お兄様。わたし達、血の繋がった兄妹でしょう。」

「兄妹ではない。血も繋がっていない。」
と次男の那智が、答える。答えながら、
こちらも胸を揉んでくる。

「いやァ。やめてお兄様。」
そう言ってもやめるどころか。
穴に指を突っ込んでくる。

「気持ちいいだろう。桜。」

「全然。痛い。離して。」

その時だった。

“ブルークラッシュ”

水の技が二人の兄に直撃した。
二人共、気絶した。

誰だろう。
とその声のした方を見る。
紫髪の少年だった。
名前も知らなかったのに
何故か。零だと思った。

「零。助けて。」
わたしは懇願する。

「言われなくても助けますよ。桜様。」
と魔法で桜に嵌められた手錠を破壊する。
パキパキ

外れた。

そして、魔法でドレスを元に戻してくれた。
“造成ドレス””
破れていた部分がなくなり、ドレスを着ている状態になった。

「ありがとう。零。」

「どういたしまして。桜様。でも。僕。名前、名乗ってませんでしたよね。
何故?僕が零だと思われたのですか。
僕は殺し屋ですが名は死神としか呼ばれていない。
もしかして。安倍晴明様。」

「安倍晴明?」
(頭が痛い。)
そして、わたしは気絶した。

「桜様。」
と僕は桜様を支える。

桜様のメイドがやってきた。
「ここにいたんですね。桜様。でっ。お前は誰だ。ここの者ではないな。見かけないが。」

「僕は桜様に拾われ、新たな執事となりました。零と申します。よろしくお願いします。」

「よろしく、零。わたしは椿。桜様とは幼なじみ。だけど桜様には内緒にしてて。ここでは月(つき)と名乗っているから。そう呼んで。」

「わかった。月。」

これが僕と桜と椿の出会いだった。