CANDY*BOX〜天使と悪魔とそれから私〜

「悲しむ」




そう答えた姉は,どこか遠い目をしていた。


「うん」


短く,短く答える。





「明日死んでも,100日後死んでも,悲しい事には変わらない。生きるって事は,それだけで私達を嬉しくさせてるんだよ。」


「うん…」



なんだか照れくさかった。

どんな不純な動機であれ,私は生きる事が許された。




そして,2人は私のたった100日間の命を,全力で護ってくれるんだ。


…酷い事言っちゃったな…



よし,謝ろう。
それで…ちゃんとありがと,って伝えよ。


「ありがと!汐ちゃん!!」

「お?何か吹っ切った?」



姉は口の端で笑うと,視線を前のテレビへと戻した。