ガチャン ガチャン
映画館のドアが開き、入ってきたのはずぶ濡れになったミユだった。
「館長さん。今日の雨ひどいですね。朝急いでて、天気予報見ないで来ちゃったから傘忘れたのよ」
タオルで濡れた頭を拭きながら、館長に言った。
その館長への話方から見ると、何度かこの映画館に足を運んでるようだった。
すると館長は僕の方を見て、してやったりの顔でニコッと笑った。
僕はその顔で、館長がミユのことを僕が話す前から知っていたことに気付いた。
「あれ~?五味淵先生っすか?奇遇ですね。 俺、ハルの友達の信次ってイイます」
信次はカウンターの端に座っている、ミユに手を振りながら言った。
