五味淵家の生活がしだいに慣れはじめ、
とは言ってもミユは料理はからっきしダメだし、岳は部活がおわり、帰ってきたと同時に玄関に全部練習着を脱いぎっぱなしにするほどだ。
誰かが家事をやらないとたちまち、最近テレビに出ているゴミ屋敷になってしまう。
結局僕は家事を全部やるはめになった。
そんな五月。
僕と信次は学校帰りにいつもの映画館にいた。
「館長さぁ~。やっと一人でのんびり暮らせると思ったのに、これじゃあ親父と暮らしてる方が絶対ラクだったよ。」
館長にも五味淵家のことはもう話している。
「若い時の苦労はお金を払っても買えって言うもんだ。将来きっと財産になるぞ」
館長はちょっと笑ったと思ったがまたいつものようにグラスを磨きはじめた。
