【完】幼なじみのあいつ



「…キス………、した」


「はい?」


「鈴が保健室で寝てた時、キスしちまったんだよ!………ごめん」



その言葉にはっとした。


もしかして、あの時………じゃないよね?



早紀ちゃんに階段から突き落とされ意識を失った私を、翔ちゃんが保健室に運んでくれたあの日…。




気を失っていたあの時、私はキスをされた夢を見た。


フワリと優しく唇に当たった感触に目が覚めた時、妙にリアルに感じていたのを覚えている。



もしかしてあれって夢ではなく現実に、翔ちゃんにキスをされていたの?!




うわっ!


恥ずかしいっ!!!



顔が真っ赤になった私を見て、翔ちゃんは赤くなってやんのーっ、何て笑ってるけど笑い事じゃないでしょっ!




「…私のファーストキスがぁーーーっ」


顔を真っ赤にしながら涙を潤ませる私を見て、笑っていた翔ちゃんが慌て出す。




「うわっ!ごめん」



今更謝られても遅い!


私の大切なファーストキスが、そんなあやふやな記憶だなんて酷すぎるじゃん!


しかも大好きな翔ちゃんとの初めてのキスなのに、覚えてないなんていやだ~!!!






「翔ちゃん…」


「ごめんっ、怒ってる?」