【完】幼なじみのあいつ



「…そうだね」



それしか、言葉が出なかった。




辛かったけど…、


それでもかなり無理して、精一杯の笑顔を翔ちゃんに向けた。





ホント…、


涙が出そうだ---





でも…、


我慢しなくちゃね。





そう、思っていた時だった。





フワッ---


私の頭に何かが乗った。




え?


上を見上げると、亮ちゃんの手だった。





「……亮ちゃん?」


大きな亮ちゃんの手が私の頭を軽くポンポンたたき、そして心配そうな顔を私に向ける。




どうしたの?


首を傾げるとフッ…と笑った亮ちゃんは、頭に乗せていた手を退けた。




…………?


急な亮ちゃんの行動にちょっとビックリしたけど…、何だろう?




でも、不思議だ。


それだけの事なのに、胸がじんわりと温かくなって元気が出てきた。




もしかして亮ちゃん…、


私の事、慰めてくれたのかな?




でも亮ちゃん、私が翔ちゃんを好きだって知ってるわけないしなぁ。


思わず首を傾け亮ちゃんをジッと見るがそこは丁度、亮ちゃんと別れる場所だった。