「う、うん」
そんな亮ちゃんに、困惑気味に返事を返してしまった。
そして亮ちゃんに誘われるように足を一歩踏み出そうとしたところで丁度、翔ちゃんが早紀ちゃんに手を振る。
やっと二人は、話しが終わったようだ。
早紀ちゃんも翔ちゃんに向かって笑顔で手を振り、教室へと入っていく。
鞄を持たずに廊下で、翔ちゃんを待っていたようだ。
「悪ぃな、待たせて。さ、行こうぜ」
何て言ってくる翔ちゃんのその表情からは、全く悪びれた様子は見られない。
それどころか早紀ちゃんに会えた事で、嬉しそうだ。
ま、いいけどね。
「相変わらず、仲良いね。翔ちゃん達は」
嫌味を言ったのに当の本人は目を細め、ニへラッと笑う。
幸せそうだね、翔ちゃん。
私の気持ちも知らないで、腹たつなぁ---
なーんてね。
私の気持ちを知ったら、こんな風に気楽に話せる関係でいられなくなるのは分かっている。
だから、ガマンガマン。



