ヒスイ巫女4

｢ヒスイ、あなたが人とは違う自分の力を持っているのを知っていますよね？｣
ヒスイは首を縦にふった。
｢そしてその力の悪魔の力の部分を使い、世界をなくそうとしましたね。｣
ヒスイは申し訳なさそうに頷いた。
｢それは人間界でも天界でもどこであっても禁忌なこと。処罰を受けなければならない。｣
そういうと琥珀は床を杖で叩いた。
床は湖のように何かを映し出していった。
それは輪廻転生のようす。
つまり人間界にて肉体が滅びたが次の時代で肉体を再び手に入れる転生のようすであった。
ヒスイは床に映し出されたそのようすをまじまじと見ていた。
そこには自分も知る姿があった。
｢お兄ちゃん！お姉ちゃん！｣
そうヒスイの兄姉も転生の順番を待っていたのだ。
そして…
｢由夏ちゃん健人くん杏里ちゃん拓歩くん。｣
孤児院にいた子供たちが並んでいた。
｢よかった…みんな幸せになってね。｣
心からヒスイはそう願った。
そんなヒスイにもう1人目に映った。
｢…あきら？｣
子供たちの後ろに晃も並んでいた。
｢わ、私も行かなきゃ。｣
そういい、力を使おうとした。
｢待て！｣
琥珀の声が聞こえヒスイは動きを止めた。
｢ヒスイの罪状を教えていなかったな。｣
ヒスイはその声が鮮明に聞こえた。
｢輪廻転生を禁ずる。｣
｢…え｣
ヒスイは頭の中を整理した。
輪廻転生が出来ないつまり…
｢い、いやだ！｣
晃に一緒会えない。
琥珀はヒスイの最もやめて欲しいことを罪状にするのを決められていた。
それがヒスイと晃の一生会う事が出来ないということ。
｢お母さん！お願いそれはそれだけはやめて。｣
そう願うがそれは琥珀だけで決めれる問題ではない。
琥珀が杖をふるとヒスイは頑丈な扉がついた暗闇の部屋へと連れていかれた。
ヒスイはその扉をひたすら叩いた。
｢出して！ここから出して！｣
｢ヒスイ…あなたは私の指示がない限りここから出ることはできません。｣
それだけいうと琥珀はその場から去った。
ヒスイの扉を叩く音がむなしく響くだけであった。