一人ひきこもり書斎でサインを押し続ける青年・・・
扉が開いた。
その扉の向こうには3人の人
「父さん約束してた勝負」
「お父さん約束してたオセロ」
「陸約束してた買い物」
「「「約束守って!」」」
書斎にこもっていたのは陸。巫女としての色々と仕事が多い。
扉の向こうの3人とは年上から緋音、蓮(れん8歳)、そして凛音(りおん6歳)
「そんな暇ない。見ろ。この仕事の山を!」
陸の前には山づみになった紙がある。
「また?えー、早く仕事終わらしてよ〜。」
不満足に蓮が言った。
「蓮、この半分はお前が壊した建物の修理代の請求、謝罪文、依頼文ばっかりだぞ!お前がやる仕事だ!」
「父さんまだ僕8歳だから」
目をうるうるさせながら陸を見る。
「そんな時だけ子供出しやがって、たくっ。まあてことで当分は無理だ。」
「「蓮くーん!、凛音ちゃーん!」」
この場とは場違いのこえが響いた。
「空くん、スイちゃん。あ、ヒスイ」
緋音が何か悪い事を考えた顔をした。
「ヒスイお願いがあるんだけど・・・」
「いや、却下」
「まだ何も言ってないじゃないの〜」
「緋音のお願いはどうせお兄ちゃんの仕事しておいてくれとかそんなんでしょ」
「さっすが〜ヒスイ話が早い。」
「誰もするとは言ってません!」
緋音とヒスイの口喧嘩を2人の子供達は気にもとめず会話を始めた。
「あのな空、スイ、俺の親が忙しくて何も出来ないんだ。だからお前の母さんと話して父さんの仕事して貰いたいんだけど・・・」
スイがいかにもかわいそうだよという顔をして
「空兄ちゃん、言ってあげよ蓮君と凛音ちゃんかわいそうだよ」
空も始めは乗り気ではなかったがスイに頼まれたら断れない。
「分かった。言ってやる。でもその代わり次の修行手伝え蓮」
「わかったわかった。」
「私も蓮君と凛音ちゃんと遊びたい」
「いいよ。また今度遊ぼうか。」
空とスイは緋音と喧嘩しているヒスイに話しかけた。
「ママ!陸叔父ちゃんの仕事してあげて」
「母さん、蓮達がかわいそうだよ。」
ヒスイは2人を抱きしめた。
ヒスイも母親だ。
めったにお願いをしない2人からお願いされたら断れるはずがない。
緋音の方を向いて
「分かった。今日だけしてあげる」
「え、ありがとうヒスイ行くよ皆!」
「ヒスイ本当にいいのか?」
「いいよ私もお兄ちゃんの仕事手伝わなくちゃなって、思ってた所だったし、楽しんできな。」
ヒスイは陸の背中を叩いた。
陸は久しぶりに家族団らんを過ごす事ができた。