「俺はね、好きな女以外抱かないの。この意味わかるよね?絶対に離したくない。他の男になんて渡したくない。君のことが、美里ちゃんのことがどうしようもなく好きで好きでたまらないんだ。」
まさか俺が愛の告白をすると思っていなかったであろう彼女はポカンとしたままである。
「ねえ美里ちゃん。君の気持ちを聞かせてほしい。」
「わ、私は何の取り柄もないただのOLです。そんな私が誰もが知ってるアイドルグループの方の隣にいることなんて許されません…もっと相応しい方がいらっしゃると思います。」
「相応しいってなに?俺は君がいいと言っている。俺の幸せは俺が決めるものだ。他人にとやかく言われる必要はない。」
ねえ美里、あの日君は俺に好きだと何度も言ってくれたじゃないか。
「お願いだから、素直になってくれないかな…?」
そう言いながら彼女を自分の方へ引き寄せ抱きしめる。すると彼女は肩を震わせ静かに涙を流し始めた。
「あ、あの日すごく幸せな気持ちで目が覚めたのに隣にいたのがあなたでなんてことをしてしまったんだろうと思いました。でもあれからあなたのことが忘れられなくて、最後に一目見て自分の気持ちに区切りをつけようと思って今日のコンサートに来たんです。絶対に届かない人だから。」

