「ほんっっっとに頼む!
太田しか頼める人がいないんだ!!!」
そう言って深く頭を下げる山田先生。
「いえ…私はもう…」
「そこを頼む!!!」
私は今、陸上部の助っ人を頼まれている。
陸上部のリレーメンバーが怪我をしたらしくて、
代役に私が抜擢されたのだ。
他のクラスは…
ここは進学校だから部活をしていない生徒は受験モードに早くも入っているみたいで
このクラスで、しかも元陸上部が私しかいない。
そして山田先生が頼みやすいのが私だった…
という訳なんだけど、
さすがに高校生になった今は寝坊することもなくて全然走らないし、
高校は中学より人数が何倍も多いから、
そんなにバタバタせずに大人しく過ごしてる。