私も自分のスタート位置に向かった。
あ……
ふと、観客席を見上げると佐野くんと目があった。
男子は女子の後だから、
応援してくれるって確か試合前にみんなが言ってた。
何故か佐野くんと私の目は
お互いそらされることはなくて…
パクパク…
え…?
佐野くんが、何か口をパクパクさせていて…
私がキョトンとしていると、
ゆっくりと…佐野くんの口が動いた。
『が・ん・ば・れ』
がんばれ…
私は佐野くんの言葉に…
スーッと肩の力が抜けていくのを感じた。
佐野くん…私の姿、見ててね。
佐野くんに向かって私は大きく頷いた。


