何も考えたく無い。


支離滅裂なことが頭の中に幾つも幾つも幾つも浮かんでは消えてくれない。


どんどん言葉が重なって、真っ暗になっていく。


でも、1つだけ変わらない言葉が私の頭の真ん中にストンっとある。


私は絞り出すように、私の声とは思えないような声で言った。


「おいていかないで…。はなれていかないで…。私を…。ひとりぼっちにしないでぇ…」


ガラガラの汚い声。


そんな声を夏樹に晒してでも、私は伝えたかった。


いかないでって。