「ほんとに助かるけどさぁ、よくやるよね」 「佳菜ちゃんの世話?」 家を出て数メートル歩いて、私は翔陽にそう声をかけた。 彼の返しに、こくんと首を縦に振る。 「昔からやってるからね。でも、さっき言ったみたいに嫌々って訳じゃないよ」 ……ほんとにすごいなこの人。 16年見てきたけれど、本当に変わらない男だなぁ、と私は感心してしまった。