「ほらっ、やっぱり怖いんじゃん」

今度こそ「違う」と言おうと思ったら、さっき感じた体温が再び側にあった。
でも、さっきとは違い抱きしめられている私。

「ちょっ、離し」
「ゴメン。でも、目のやり場に困るからさ」

言葉を遮られ、しかも春都の言っていることがいまいちよく分からない。
クエッションマークの頭は考えることを放棄して、春都の目線を追う。

一度目に抱き着いたときだと思う。
濡れたワイシャツがお腹まで、しっかりと張り付いていた。
はっきりと、その模様まで分かるくらいに透けるブラ。

「見るな!」

そう睨み付けてみたものの、状況的にはこっちのほうがヤバイんじゃないの?
だって、抱きしめられているし、胸、普通に当たってるから。

「うぅ〜。春都が見なきゃいいだけでしょ」

と弱々しく提案してみる。

「でも、カミナリ怖いんでしょ? それに、俺がこうしてたい」