私の小さい頃の記憶。


私は小さい頃から1人が好きだった。
何をするのも1人。
初めは何人かの子達が話しかけてくれたけど
私は人見知りが激しくて馴染めなかった。
だから、その内に自分から壁を造って距離を置いた。

1人で絵を書いていると後ろから急に大きな声が聞こえた。


《1人で何してるの?》

「わー!!」


急に話しかけられたからびっくりして大きな声を出してしまった。

後ろを見ると笑顔が最高に可愛い子が立っていて私を見て笑っていた。

私が無言で見ると気づいたみたいで
また、話しかけてきた。


《急に話しかけてごめんね。
ねぇ、あなたの名前教えて?》


その女の子は韓国語ではなく英語だった。

私は幼かったため言葉がわからず首を傾げることしか出来なかった。

彼女も言葉が通じてないのを知り
ジェスチャーで伝えてきた。

私のことを指さして首を傾げてるから多分名前を聞いていると思い答えた。


テヨ「私はテヨン。あなたは?」


今度は私が尋ねた。


ステ《私はステファニー》

テヨ「ステ…ステファニー?」


英語の発音がわからず
あやふやな名前で呼んでしまった。

彼女も察したのか言い直した。


ステ《ステフって呼んで》

テヨ「ステフ…いい名前だね」


私が褒めているのが通じたのか
ステフは嬉しそうに笑った。

私はその笑顔に見とれた。
そして私達は友達になった。

その日から私達は2人で遊ぶようになった。

言葉は全く通じないのに
ステフと一緒にいられるのが嬉しかった。

そして、何日か一緒に遊ぶうちに
私はステフのことを好きになっていた。

でも、幼かった私はその気持ちに
気づかなかった。

ある日、ステフと遊ぼうと思って
いつもの公園でステフを待っていた。

でも、来なかった。


テヨ「ステフ風邪引いたのかな?」


そう思ってステフの家に行くと
案の定ステフは風邪を引いていた。
中に入れて貰いステフの部屋に行った。

ステフは寝ていたので起こさないように
手を握った。

しばらくしてから声が聞こえた。


ステ《テヨン?》


私はステフの方を見て安心して
握っていた手を少しだけ強く握った。


テヨ「テテでいい」

ステ《テテ。来てくれたの?》


多分来てくれたのか聞いているのだろう。

私が「うん」と言うと
彼女は私の大好きな笑顔で微笑んだ。

その笑顔を見て私も笑顔になった。

そして、ステフのことを好きだと
自覚して告白をしていた。


テヨ「やっぱり、私はステフのこと好きだよ」


ステフは首を傾げていたので
母に教えて貰った英語で気持ちを伝えた。


テヨ「ステフ、I love you」


ステフはびっくりして目を丸くしたあと
泣き出した。

私はびっくりして慰めようとしたけど思うように言葉が出なかった。


テヨ「ど、どうしたの?私、何か変なことした?告白嫌だった?私のこと嫌い?ごめんね。もう言わないから泣かないで。お願い。笑って」


それでもステフは泣きやまなかった。

私は謝りながら抱きしめる事しか
出来なかった。
そして、やっと落ち着いてきたステフが
話し始めた。


ステ《テテ、あなたに会えて嬉しいよ。友達になれて良かったなぁ。テテとずっと一緒に居たかった》


英語で言っているため
何て言っているか分からなかった。

でも、次の言葉は聞き取れた。


ステ《テテ、사랑해》

テヨ「え、嘘」


私はステフの言葉に驚いて固まってしまった。

ステフは私を見てクスッと笑い
次の瞬間にキスをしてきた。

さらに私は固まってしまい、その後に
ステフが言った言葉が聞こえなかった。


ステ《でも、もう私達は会えないの。寂しいよテテ。でもテテに気持ちを伝えられて良かった。私たち同じ気持ちだったんだね。言葉が通じないのに仲良くしてくれてありがとう。ほんとに大好きだよテテ。さよなら》


何時間かして帰る時間になったので
ステフと別れることになった。

私はステフに「また明日ね」と言うとステフも手を振ってくれたので
明日会えると思っていた。

でも、次の日にステフは来なかった。

家に行っても誰もいなかった。

そして、私は確信した。
もうステフには会えないんだと。

私はショックしか受けなかった。

何で?何で居なくなったの?
私が告白したから。
ステフも好きって言ってくれたけど
私に気を使っただけ?

こんなマイナスの事しか考えられなかった。

大好き人を失うのなら
告白何てしなければ良かった。
人を好きに何てならなければ良かった。

幼かった私にはショックが大き過ぎる出来事だった。

それでも、ステフが別れ際に言った『Please do not separate me throughout the life』の言葉が頭から離れないまま私は人を好きになる気持ちを永遠に封じ込めた。