やっぱあんたには叶わない



昼休み____


「優翔〜 数学教えてわかんな〜い!」

私は仲のいい浅野 優翔【アサノ ユウシ】に声を掛ける。
「お前今日も寝てただろ」
「うるさい」
「これだから馬鹿は困るわ」
「む〜!」

こういう会話が優翔とは多い。
けど優翔はそれなりに頭はよく、なのに見た目は茶髪で服装も毎回風紀委員に注意されるほど乱れてる。
顔もそれなりにいい。
なんか、女子の間ではファンクラブもできてるほどだ。

ま、私にはファンクラブなんて関係ないし影で見守る必要もないんだけどね!


「…だから、このxは何になる?」

「ん〜 、 25?」

「は、ばっかじゃねーのなんで25なんかになるんだよ!」

「え〜! ごめんわかんないんだも〜ん」

まぁ、数学苦手な私でも今優翔が教えてくれた問題くらいわかる。
なんせわかり易過ぎる説明。

なのになんで間違えるかって?

決まってる。このおバカキャラのおかげで優翔と仲良くなれたんだ。