竜と出逢ったのはちょうどクラス替えした今年、高2。



一目見たときから、竜しか見ていない。



そんなある時、私は放課後5,6人の女子の集団に呼ばれて体育館裏に行った。



「何」




強気でそう尋ねる。


「あんた優翔くんのなんなの」


出たそういうの。

「え、なんでもないよ…?もしかして優翔くんと付き合ってるかと思ったぁ?」

上目遣いできゅるんっと聞いてみる。
せいぜいキャラがバレないように。


「は、思ってねーしなんか馴れ馴れしいからさ、ムカつくんだよ」


はぁ、めんどいホントに。
さっさと終われ。

てか、話したいことそんだけ?
だったらもう解散しようよダルイ。



「優翔くん、数学教えてくれるもん〜」


まぁ、大抵の人はこれでムカつくよな。


「お前っ…マジそういうのがムカつくんだよっ!!!!」


手を挙げられた。



やばい
叩かれる____


目を瞑った。



…あれ、痛みを感じない。



そっと目を開けると


竜がいた。
あの女の手を握っている。


「何、あんたら優翔が好きなの?」




「あっ、いや、べ、別にそんなんじゃないよ…」
「そ、そうよ、い、行こ?」
「うん、ちょっとうちら日比野さんに用があっただけよねっっ」
「そ、そうそう、行こ」



行っちゃった。

なんで助けてくれたんだろう。