麗雪神話~幻の水辺の告白~

どれだけの間眠っていたのかはわからない。

だが次に目覚めた時には、大分体も頭もすっきりとしていた。

どうやら彼の言った通り、熱がさがったようで少し安堵する。

シルフェはベッドから半身を起こし、改めて自分が寝かされている部屋を眺めた。

広くはない。

平均的な宿の一室の広さより、少し狭いくらいかもしれない。

床も壁も天井も古びた木でつくられており、床にはラグもなく、家具らしきものもベッドから少しはなれたところにテーブルと椅子が一脚しか見当たらない。

あまり生活感の感じられない部屋だった。

あの謎の男の部屋だとしても、ここは毎日使われる部屋ではないのだろうと見当がついた。

(とりあえずあの人にお礼を言わなきゃいけないかな)

妙にエラそうで気に入らない男だが、助けてくれたのは事実だ。

シルフェは、あの男を捜そうと立ち上がった。

まだ体はふらつくが、なんとか大丈夫そうだ。

部屋の出入り口まで歩いて行くと、薄暗い廊下が続いていた。

見たところ掘立小屋のように見える小屋だが、案外部屋数は多いらしい。

シルフェは隣の部屋をのぞきこんだ。