麗雪神話~幻の水辺の告白~

浮上する意識と共にうっすらと瞼を持ち上げると、粗末な木の天井が目に入った。

まったく見覚えがない。

拠点としていた廃屋の天井は、こんな掘立小屋のような木の天井ではなかったはずだ。

「ここ、どこ……」

呟き、体を起こそうとして、ままならないことに気が付く。

体が重く、熱い。

相当な高熱が出ているようだ。

(そうだ、僕、ジャングルで倒れて……)

首をわずかに動かすと、質素な机と椅子が目に入り、ここが粗末な小屋の中で、自分がベッドに寝かされていることがわかった。

「…お前、目が覚めたのか」

不意に知らぬ声で話しかけられ、シルフェは硬直した。

いや、知らぬ声…ではないような気もする。

気を失う直前、聞いたような…。

シルフェの視界に、栗色の長い髪を後ろでひとつに結んだ、きりっとした眉が印象的な若い男が歩み寄ってくる様子が映った。

彼は手に湯呑のようなものを持っている。