麗雪神話~幻の水辺の告白~

翌日、二人はプミラを連れ、情報収集のため外套のフードを深くおろし、街の中央へと繰り出した。

さほど苦労せずとも、ほしい情報はすぐに耳に飛び込んできた。

「昨日、賊が宮殿に押し入ったんですってよ」

「ええ、知ってる。賊は四人の旅人だったって話だわ」

「でも、一人しか捕えられなかったのでしょう? 捕えたのは、なんでも炎を操る謎の美青年だって話よ。今は牢につないでるって」

「それだけど、一人はなんとプミールにも乗らずに空を飛んで、ジャングルに逃げたんですって。いったいどういう力なのかしら…怖いわね」

二人は何でもない風を装いながら一通り噂話に耳を傾け、いったん路地裏へと入り込んだ。

「ディセル。サラマスが捕まったって…!」

「…ああ。シルフェの方はうまく逃げられたみたいだね」

やはり、プミラしか戻って来ていなかったのは、サラマスが捕まってしまっていたからだったのだ。

「今すぐサラマスを助けないと…! シルフェの行方も捜さなきゃ」

「そうだね、作戦を立てよう」

いったん拠点へ帰ろうと、プミラに乗ろうとした時だ。

「おい、そこの二人。こんなところで何をしている。怪しいな」

「……!」

突然見回りの兵士と思しき男に声を掛けられ、二人は驚き思わず顔をこわばらせた。