麗雪神話~幻の水辺の告白~

レインスにそう言われて初めて、ディセルに腕をつかまれたままだったことに気が付いた。

顔から火が出そうとはこのことだ。

ディセルの方も今初めて気が付いたみたいで、大慌てで手を放してくれた。セレイアは急ぎディセルと距離をとる。

二人とも、顔が真っ赤だ。

レインスはそんな二人を、なぜか満足そうに眺めていた。

「君たちの頼みたいことくらい、お見通しだよ。
一月後、天上界への扉を開くために、夜の虹の力が必要なんだろう? ちょうど僕も帰るところだったからね。いいよ、協力してあげるよ」

拍子抜けするほどあっさり、レインスは協力を申し出てくれた。

それがセレイアには意外だった。今までさんざん困らされてきているからか…。

(…もっと条件とか提示してくると思ったのに)

だがまあ、条件がないならないに越したことは無い。

セレイアは素直に礼を言った。

「ありがとう!」

「…………」

礼儀正しいディセルが、この時なぜか無言だった。