麗雪神話~幻の水辺の告白~

「どうして君は」

声を詰まらせるようにして、ディセルが言う。

「どうして君は、いつも眩しいくらいに強いのに、時々こんなに脆くなるの…。
放って、おけなくなる……!」

その声ははかりしれない熱を帯びていた。

これではまるで………。

(―――考えてはだめよセレイア)

焦って、セレイアはもがいた。

「はなして、お願い」

「いやだと言った」

「…………どうして?」

―ああ、聞いてしまった、とセレイアは後悔した。

絶対に、聞いてはならないことだったのに。

でもきっと、聞きたい気持ちがあったのだ。聞きたくないのに、聞きたかった。

しばしの沈黙。

「それは……」

ディセルは抱きしめる力を緩め、少し体を離すと、セレイアをまっすぐに見つめた。

その銀の瞳から、セレイアは目を逸らすことができなかった。

引力にひかれる。まるで落ちる彗星のように。

そしてその一言は、彼の口から、紡がれた。