「いいか、このエイフォーティク帝国内では、帝国語を使わなければならない。それ以外の言語を使っていれば、即処罰の対象になる。そして王都にはいかなる旅人も入ることは許されない。お前の連れているその変な白いプミールも、この国のプミールのように黄と緑のまだら色に染めろ。白のままで歩いているのを見かけたら、処罰するからな」

言語の規制に、プミラを染めろ…!?

あまりの横暴ぶりにセレイアは言葉を失った。

しかし、従わなければ帝国に入ることすら許されないので、仕方なく、関所で販売されていた染め粉を使って、プミラを染めた。

こんな無茶なことを強いているというのに、プミラは大人しくしている。そのつぶらな瞳に、切なくなった。

「…ごめんねプミラ。洗ったらとれるってきいたから、大丈夫だからね。ずっとじゃないから」

半ば自分に言い聞かせるように、セレイアは黄と緑のまだらになったプミラに語ったのだった。

そうして大扉を抜けると、帝国と他国との玄関口となる大きな街、ラパスが広がっていた。