初恋の甘い仕上げ方






「相変わらずオムライスが好きなんだね」

「ああ。時間があれば自分で作るくらい好きだな」

「翔平君、昔から料理上手だもんね」

「上手かどうかは別として、親が家にいない時間が長かったから、自然に覚えたんだ。必要に迫られれば誰でもオムライスくらい作れるさ」

よっぽどオムライスが食べたかったのか、明るい声でそう言いながら、翔平君はスプーンを動かす手を止めようとしない。

この部屋に帰ってきたあと、翔平君が言うには「年上の男の本気をなめるな」という、想いの強さを与えられて、ひとりでは立てないほどの甘い刺激に降参させられた。

抱きしめられて、キスされて、好きだと言わされて。

翔平君が望むことを濃く深く甘く、私は与えられて与えた。

私がこれまで男性とのあれこれを経験したことがないということに嬉しそうに頷き、だったら今日はこれ以上は何もしないと、それ以上のあれこれは次回へ持越し。

と言いつつも何度目かもわからないキスを繰り返していた翔平君の表情はやたら色気が満ちていて、しがみついていた手をさらにぎゅっと握って気持ちを落ち着かせた。

小さな頃からずっと想いを寄せていた翔平君とキスをして抱き合っていることを夢のようだと思う合間に感じた痛みの数だけ胸元に残された赤いしるし。

私の心を見透かすように「夢じゃないぞ」と甘い声でささやいてくれた。

『白石萌ってアイドルみたいな名前だけど、水上萌も負けてないだろ?』

翔平君は私の体を抱きしめたまま、大きく揺らした。

『萌が、こうして大人になるまで……長かった』

その言葉からは、翔平君の安堵の想いが知らされた。

これまで翔平君が我慢していたという私への想いを聞いて夢見心地で過ごしたあと、私は思い出したように翔平君にリクエストされたオムライスと、冷蔵庫に残っていた野菜でサラダを作った。

急いで作っているとき、キッチンに立つ私の傍らから離れずにいた翔平君。

火を使うから離れていて欲しかったけれど、翔平君は私の後ろからお腹に腕を回してくっついていた。