初恋の甘い仕上げ方




「翔平君、好き。ずっと好き」

いい大人だというのに、私の口から出たのは子どものような言葉。

「誰にも渡したくない。私以外の人と結婚なんてしないで」

まるで初恋に胸をときめかせ、駄々をこねながら悩んでいる少女のような口ぶりだ。

自分の成長のなさを感じながらも、それ以外に何を言えばいいのか思い浮かばない。

恋愛初心者の自分を実感して情けない。

「ほかの人と、キスしないで」

目の奥から熱いものがこぼれた途端、翔平君の唇がそれを乱暴になめとった。

わずかに目を開けてその仕草を見れば、あっという間にその色気に圧倒されてしまう。

「翔平……」

「泣くほど俺が好きなら、見合いしようなんて思うなよ。萌が欲しいのはほかの誰でもない、俺だろ?二十年近く、ずっとそうなんだろ」

いつの間にか翔平君の唇は私の胸元へと移っていた。

薄いビンクのブラウスのボタンを上から幾つか外し、そこへ顔を埋めると、撫でるのか甘噛みしているのかわからないほどの微妙な感覚を落としていく。

何度か感じる痛みの理由は、見なくてもわかる。

きっと、赤い印を幾つも残しているのだろう。

「……初めてのことばかり」

翔平君の頭に指を差し入れて、その痛みがこれほど幸せな感情を生み出すのだと知るのも初めてだ。

さっきのキスといい、翔平君から与えられるものすべてが私を変えていくようで戸惑いはあるけれど。

翔平君が私の首を捉え、何度も唇を這わせる流れに身を任せても、不思議と怖くはない。

それどころか、与えられる動きに添うように、私の体も跳ねている。