私の喜怒哀楽など簡単に見抜く翔平君のことだから、落ち込む私を気遣ってあえて明るい態度でいるのだろう。
目の前にある翔平君の顔に視線を向けると、それを待っていたかのように、翔平君の言葉が続く。
「俺は萌より八年も長く生きてるんだぞ」
「うん、知ってるけど?」
「それに、萌は自分の気持ちをいつも顔に書いて歩いてるようなもんだから。俺のことが好きで好きでたまらないって、その目でその口で、会う度いつも伝えていただろ」
私の顔をさらに覗き込み、翔平君は楽しげに笑う。
沈む私の心を軽く流すような口調に、戸惑ってしまう。
「萌が小学生のころ、俺といるといつも顔を真っ赤にして照れくさそうにもじもじして……」
「そ、そんなことないよ。もちろん、翔平君といるとドキドキしたけど、別にもじもじなんてして」
「してたんだよ。大学生の俺に、『恋してます』って視線で伝えてた。あー、今思い出しても可愛かった。写真でも撮っときゃよかった」
天井を見上げ、大声でそう言った翔平君は、私の体を引き寄せるとその胸に押し付けた。
私はその温かさにほっとして目を閉じる。

