初恋の甘い仕上げ方



そして、今の事務所ではないにしても、翔平君の近くにいられるようにデザインの仕事ができる場所を探して働いていると思う。

それに。

私が翔平君から離れられないことを、あのときもわかっていたはずなのに、自分を守ることしか考えられなかった私の弱さのせいで、翔平君の未来も変えてしまったのかもしれない。

「翔平君が事故にあったのは、私のせいかもしれないし……だって、翔平君から逃げようとしてたんだもん」

「萌、それ以上はいいんだぞ」

翔平君の気遣うような声が聞こえたけれど、一旦口にした言葉が呼び水となって、私の心の奥底に置いていた感情があふれ出る。

「私……逃げようとしていたから」

そう口にした途端、きりりと胸が痛んだ。

逃げるという言葉に、心が敏感に反応する。

本当はあの日、採用試験を受けようとしていた以前からそれに気付いていたのかもしれない。