初恋の甘い仕上げ方





大手飲料メーカーが先週発売したこの水は、当初の出荷予定個数を大幅に超える大ヒットとなり、生産が追い付かず、一時販売中止になるかもしれないと言われている。

そのラベルのデザインを、私が働いているデザイン事務所が請け負った。

そして、オレンジを基調としたラベルの中で笑っている少女のキャラクターのデザインを私が担当したのだ。

CMも頻繁に流れ、その広告宣伝費は莫大なものだとわかる。

そんな商品のラベルのデザインを私が働く小さな事務所が請け負うなんて、最初は信じられなかった。

けれど、所長の別府さんは知る人ぞ知る有名デザイナーらしく、年に何件かはそんな大きな仕事が舞い込んでくる。

今回も事務所総出でその仕事を楽しんだ。

まだまだキャリアの浅い私は勉強することばかりで刺激的な時間だったけれど、その中で私が参加したのが少女のキャラクターデザインだ。

長く愛されるものを、という指定に沿い、幾つかのデザインを描いて提出した。

そして最終的に決まったものは、私が密かに自信を持っていたものだった。

それは事務所のみんな、そしてメーカーの重役の方々にも好評で、採用された。

それは仕事を始めて五年、自分の才能の貧しさに苦しみながらも続けてきた私への最高のご褒美だった。

「翔平君、どうして知ってるの?」

ふと感じた疑問をぶつけてみる。