初恋の甘い仕上げ方





その後、リビングのテーブルに料理を並べ、私はラグに座っている翔平君の横に並んで腰をおろした

夕べ母さんが持ってきてくれた筑前煮やポテトサラダを食べながらビールを飲み、翔平君から詳しい話を聞いた。

というよりも、すべて白状させた、というほうが正しい。

「私のようなまだまだ半人前があんな大きなプロジェクトに参加できるなんて思えない。実はどっきりだったりして」

「どっきりなら、萌のその顔がどっきりするほど色っぽいんだけど?」

翔平君は手の甲で私の頬をするすると撫で、含みのある笑顔を私に向けた。

「な、何を言って……」

焦って首を振る私に、尚も翔平君の顔が近づいて、小さなリップ音が部屋に響く。

離れていく翔平君の唇を視線で追いながら、体が粟立つようなもどかしさを感じる。

「萌は酒が入ると顔がピンクになるよな。大きな目は潤んでるし力が抜けた口元は誘ってるようだし」

ラグに直接座り、片膝を立てている翔平君の方がよっぽど誘っているようなんだけど。

昔モデルをしていた翔平君の顔は、ご両親の遺伝子のいいとこどり。

切れ長の大きな目は柔和な印象を与え、意志のある唇はほどよく厚く。

俯いたときに見せる物憂げな横顔は人工的に作られた美術品のように完璧で。

こうして近くにいるだけで、思わず目を細めて眺めてしまう。

「翔平君のほうが、私より色っぽいよね」

「は?」

「ううん、なんでもない」

ふふっと笑い、手元のビールを飲む私に翔平君は眉を寄せた。

そんな怒った顔も素敵だけど、とりあえずそれは後回し。

「私の顔がピンクなのはどうでもいいんだけど、それよりも自動販売機の件が先」

「深く考えることはない。仕事の依頼を受けただけだろ?」

「翔平君ほどのキャリアがあったら納得だけど、あれだけ大きなプロジェクトで私に声がかかるなんて思えない。翔平君が裏で何かしたんじゃないの?」

私は膝立ちし、翔平君の目の前にすり寄った。