「どうした? 神妙な顔は似合わないぞ」
「え、な、何か言った?」
「お前が考え込むとロクなことにならないから、考えるな」
くつくつ笑いながら運転している翔平君をちらりと睨んだ。
大通りを順調に走る翔平君の車は、印刷会社さんの工場へと向かっている。
私が手がけた飲料水のラベルイラストの確認をするためだけど、今日一日で決定しなければならないわけではない。
実物の色味やバランスを確認し、それを持ち帰って事務所で再度検討する。
そんな前提もあり、今日小椋君と私に課された仕事に特に大きな責任はなくて、どちらかといえばわくわくしている。
印刷会社さんとの打ち合わせは刺激も多く、勉強にもなるせいか、事務所内でも行きたいと手を挙げる人は多い。
私も何度か同行したことはあるけれど、主担当者として顔を出すのは初めてだ。

