「大げさでもなんでもいい。翔平君が格好悪くても弱虫でもいい。どんな翔平君だって一緒にいられればそれでいい。だから、雨や傘が苦手なことくらいで私は翔平君のこと嫌いになんてならない」

私の気持ちを軽くみないでほしい。

何年、翔平君の近くで恋心を大きく育ててきたと思っているんだと、言いたくても言えないのは惚れた弱みとでもなんとでも。

「とにかく、翔平君がどんなに情けなくても弱っていても、それに誰からも相手にされないみっともない男になっても、私の気持ちは変わらないから。それに、気づいてると思うけど、小学校の卒業式の日に翔平君に恋してからずっと、この気持ちは右肩上がり継続中なんだからね。ちょっとやそっとじゃぐらつきません」

ひと息にそう言った瞬間、自分が口にした言葉を振り返って焦るけれど、まだまだ言えそうな勢いだ。

「私、えっと、翔平君が仕事でミスして……あ、たとえば、だからね。で、事務所をクビになったりして路頭に迷っても、私は翔平君が好きで、離れないし、それに……」