相手は、背中からハンマーを取り出した。ハンマーならふったあと、重さで少しの間動けなくなるという弱点がある。これなら、勝てると確信できた。

戦闘開始まで残り30秒を過ぎた。相手はハンマーを上段の構えをとった。大体の攻撃の仕方は分かったけど油断は出来ないので、レイピアを中段で構えた。相手を探りあいしてるうちに時間が1秒、2秒と迫って、気づいたら残りが5秒になっていた。

最後に息をのみ込み、ゴーン、と鐘を叩いたかのような音とともにデュエルスタート。

相手から仕掛けてきて、予想通りにハンマーを降り下ろしてきた。やはりと思い、体を右にずらした。相手もそうとうなやり手だった。振り落とし途中だったハンマーをいきなり右上に振り上げてきた。想定外のことに手間取りバク転的な形で後ろに避けた。絶好な攻撃チャンスだと思っていたが、一瞬で消えてしまった。

でも、相手は移動が遅かった。十分な距離さえ保っていれば、攻撃されないと思い、相手のハンマー2個分の距離をとった。