実を言うと走ってる理由は、陽斗くんを待たせてるからってだけではない。


美術室でコンクールに出品する作品を描いていたら、思った以上に時間が掛かってしまった。

そして切りのいいところまで仕上げた時には、もう辺りは暗くなってしまっていたのだ。


「怖い怖い怖い怖い……」


なんて怖いんだ。夜の学校って。