「え?秘書の弁当?」
「うん…」
私と琉は会社から出て近くの公園のベンチに座り話す。
「あー…結構気きく秘書でな。別に、特別な意味はないよ。」
「…でも。」
「それによ、瑞穂の庶民弁当のがある意味食べやすくて良いぜ?」
琉はそう言うと私の作った魂焼きを口に入れる。
「庶民弁当って…。」
「前よりはマシになったよ。今は食える。」
「く、食える!?」
「今までは本当やばかったよ?マジ、食いもんじゃなかったよあれは。」
「ひどいなぁ。」
「……ぶっ…この卵焼き、焦がしたろ?」
琉は食べながら言う。
「あはは。ちょっとだけね…」
「お前なぁ。」
「何?文句言うなら食べないで?豪華弁当もあるんでしょ?琉には。」
私は拗ねる。
もう琉は…。
「はいはい。お、これは食えるな。」
「食える食えるって…。美味しいとか言えないの?」
私は琉に聞く。
「だって瑞穂、たまにやばいし弁当。」
「愛妻家が何言うんだか…」
私は琉に言う。
「なぁ、瑞穂。」
「ん?」
私は琉を見る。
「ヤキモチ妬いただろ?」
琉はにやにやしながら私に聞く。
「は、はい?」
「拓に聞いたけどかなり寂しい表情してたらしいよ?お前。」
「………う………」
「やっぱりな!」
「だ、だってぇ…」
「いきなり弁当自分から持って来てどうかしたのか?」
琉は私に聞く。
それは…
「り、琉に喜んでもらいたかったから…。」
私が言うと琉は笑う。
「バカかお前?それなのに拓に渡して逃げて…」
「だ、だって…辛いもん。私より秘書さんの弁当のが豪華だし…」
「瑞穂、俺はお前のだから食いたいんだよ。瑞穂のは秘書の豪華弁当に勝ってる。ださくても愛妻弁当だからよ!」
「だ、ださい!?」
は、はっきしと言ったよ?
この人……。


