「瑞穂ちゃん…」
「今日、琉に電話するよ。」
私が言うと拓君は笑う。
「よかった。あいつ心配してたから。」
「……え……」
「瑞穂ちゃんが浮気しないといいなとか、寂しい思いさせるのが辛いだとか。」
「……え……」
「二人ほど想い合ってるカップルは初めて見たよ。」
「……え……」
「俺、琉を空港まで送ったんだ。あいつ、本当瑞穂ちゃんの事ばっか気にしてたし。」
「……え……」
「俺が瑞穂ちゃん諦めたのは二人の絆の深さに負けたからだよ。」
「……え……」
「だから俺も二人には負けないように頑張るよ。」
拓君は笑って言う。
「うん。頑張って…」
やっぱり拓君は良いな。
寂しかったけど
拓君のおかげで少し元気出たかも。
――――……
「ケーキ美味しかった。ありがとう、誘ってくれて。送りも…ありがとう。」
私は拓君に家まで送ってもらうと拓君に言う。
「いえいえ。また何かあったら来るよ。あ、話…いつでも聞くから。」
「ありがとう…」
「じゃあ。」
拓君は開いた車の窓からそう言うと私の家の前から離れた。
拓君と話して少し元気になれたな。
よし!
私は家に帰る。
琉に電話しよう。
ちゃんとしなきゃ私。
今は多分大丈夫…。
〈ガチャ〉
――家に帰ると私はすぐに子機を取る。
琉に電話をする。
〈プルルル…〉
ドキドキする。
琉
出て……。
すると
『はい。』
り、琉……
「み、瑞穂です。」
私は琉に言う。
『瑞穂…』
離れてからそんなにたってないのに…
琉の声が今はこんなにも愛しい。
琉……。
「今、大丈夫?」
『ああ。俺も電話しようと思ってたし。』
「……え……」
り、琉も…?


