琉のいない家。
あーあ…
寂しいよ。
なんだかんだでいないと。
琉との生活に慣れた証。
でも
夫婦になったら遠距離なんて慣れなきゃいけない。
琉の仕事はそういうものなんだから。
でも
不安…。
秘書さん一緒なんだろうな…。
珍しく昼は出前。
なんだか作る気がせず。
夜も作る気しないなぁ。
琉いないし。
つまんないよ…。
でも
琉のために頑張らなきゃ私。
ちゃんと連絡をして。
琉を信じて待つべきだよね。
うん!
すると
〈ピーンポーン…〉
「はーい!」
誰だろ。
私は玄関に行く。
〈ガチャ〉
「瑞穂ちゃん久しぶり!」
「喜美子さん!!」
久しぶりだぁ!
「ごめんね。いきなり来て。」
「いえいえ。」
――私は喜美子さんを家に上げソファーに座らせるとお茶を出す。
「ありがとう。私の結婚式も瑞穂ちゃんの結婚式もなかなか始まらないわね。」
「すみません。琉、仕事忙しくて…」
「いいのよ。二人に私は結婚式に出て欲しいからちゃんと日程合わせ直したし。瑞穂ちゃん達なんかまだ全然決まってないでしょう?」
「はい。琉の両親にまだ会ってないから結婚の用意すらできないし…」
「大変ねぇ。」
「でも琉が帰ったらちゃんと…」
結婚したいなぁ…。
「そうね。あ、今日は瑞穂ちゃんが寂しいと思うから来たの。漬物とか持って来たから夕飯作ってあげるわ。」
「ありがとうございます。いいんですか?」
私は笑って言う。
「いいのよ。今日は女二人楽しくやりましょう。」
「はい。」
喜美子さん優しいなぁ。
今日は一人は寂しくて嫌だったから…。
よかった……。