「おっさん!半熟で作れよ。」
だめな大人だなぁ。
焼きそば屋のおじさんはというと琉に言われると他のお店に卵を借りに行った。
「琉、本当えらそうだね。」
「えらそう?俺は偉いんだよ。」
「はいはい。」
琉といると自分が大人に感じるんだけど…。
――しばらくして…
「お、やっぱり美味いな!こっちのが。」
満足そうに焼きそばを食べる琉。
「うん。美味しい。あ、おじさんすみません。琉がわがまま言って…」
私はおじさんに言う。
「いいよいいよ!お兄さんあれだろ?最近、新聞で見る…三条グループの社長さん!だからサービス!」
おじさんは笑って言う。
「は、はぁ…」
有名人の琉はトクだね…。
「さすが俺様!有名人って良いな。」
琉は笑って言う。
「もぉ…恥ずかしいじゃん!わがままあちこちで言わないでね?」
「なんだと?俺が素直に気持ちを言って何が悪い?」
「言い出したら聞かないとか子供じゃないんだから…」
「いいだろうが!何しようが俺の勝手だ!」
「本当、自分一番なんだから…。」
すると
「あれ?琉様!?」
……え……
浴衣を着た秘書さんとその友達らしき人達が私達に近付く。
浴衣綺麗…。
本日、琉の命令により浴衣を着れない私です。
「へぇ。お前も来てたんだ。」
「浴衣どうですか?」
秘書さんは笑って琉に聞く。
「あー、似合うんじゃねぇの?」
……え……
「ありがとうございます!」
秘書さんはそう言うと私ににやっと笑いかけた。
……う……
「じゃあまた。」
そう言うと秘書さん達は離れた。
り、琉が…
秘書さんの浴衣褒めた…
なんかやだな…。
私も浴衣着たかったのに。
あの人綺麗だから似合ってたな。
あーあ…
琉のバカ…。
バカバカ…。


