――――――……
「琉、行こう。」
「おう。」
琉と私は家を出る。
――今日は夏祭り。
二人とも私服です。
琉の浴衣見たかったなぁ…なんてね。
「久しぶりだな。デート。」
「うん。」
琉と私は手を繋ぎ歩く。
琉と久々のデート…。
「瑞穂、金魚すくいやろうぜ!」
「えー?琉、いっぱい取って私に世話任せるもん!」
「いいだろ!かっこいい俺見せてやるよ。」
「金魚すくいだよー?」
「ほら、行くぞ。」
「う、うん!」
もう琉ってば…
相変わらず子供…。
――――
「おっさん!俺の動きちゃんと見てやがれ!」
は、恥ずかしいなぁ…もう。
小さい子供達にまぎれ熱くなる琉。
金魚屋のおじさんにそんな事言っちゃって…。
「お、お兄さんすごいねぇ!」
「だろー?」
琉えらそう…。
すると
〈ポチャッ〉
「あー…くそ!おっさん!いきなり話しかけんなよ!」
破けるとおじさんのせいにする琉。
全くもう…。
「琉、おじさん悪くないよ?結構とれたし、行こう?」
私は琉に言う。
だけど
「まだだ!これじゃあ納得いかねぇ!」
あーあ…。
琉ってなんでこんななんだろ。
……結局…
私の両手は両手に花ならぬ両手に金魚。
琉、取りすぎ…。
「次は…焼きそばだな!」
「琉、好きだもんね。」
「でも…どこも月見ねぇな。」
あー…
琉は卵乗った焼きそば好きなんだよね。
「ないなら仕方な…」
「おい、おっさん!今すぐ月見作りやがれ!」
…げっ……
琉の言い出したらきかないとこ…
大人になったらさらに悪化してない?


