幸せのはじまり

「立候補者いないかぁー?」


誰か、誰か挙手して。

早く~ーーーっ

………………

……………….……。


ほんの数十秒が数十分に思えた。

その時、斜め前の席からスッと手が伸びたのが見えた。


「あ、俺太鼓やりたいっす
旗も格好いいけどどっちかやれないすかね?」

男子が一名立候補したみたいだ。

「あぁー、あのポジション人気で埋まっちゃってるんだよね。今回はチアじゃなく皆学ラン応援だからそこは空いてるよ」

「あー、学ランなら悪くねぇや、
俺やります」

「よし、じゃあ決まりだね、宜しく」

一同ほっと胸を撫で下ろす。
最低一人だから、もう指名されるリスクもないだろう。

団長が出ていって、
無事にHR が終わるー。

千夏と目配せして頬を緩めようとした瞬間ーーー