『春樹くんは、もう思い出してはくれないの?』


真中さんの切ない顔が脳裏に焼き付いている。


あの後、彼女は冗談だよ!と言って、何事もなかったかのように笑っていた。


そう、あの偽物の笑顔で。


「はぁー。」


なんか俺らしくねーなぁ。


…ん?
そもそも俺らしいってなんやねん。


「あー。あー。あー。」


なんかむしゃくしゃする。


その後一晩中考えても、モヤモヤする心をスッキリさせることはできなかった。