大嫌いなはずなのに。

「お前泣いてたしょ?」

映画が終わった後蒼が聞いてきた

「だって最後のとこ感動したじゃん!」

「そうか?ってかさ、あーいうセリフってさ言われたいって思うわけ?女子って」

「もちろん!!憧れだもん!!」

「俺、お前のこと好きなんだけど」

蒼の目が私をまっすぐ捉える

「どう?こういう感じ?」

固まった私を安心させるようにいう

きゅん死しそうだった

かっこいいんだもん…

本当に言ってくれたらいいのにな

「きゅん死しそうだった…。やばい。超かっこいい!」

「顔真っ赤…。本気にすんなよばか」

そうだよね

蒼にはちがう好きな人がいる

「わかってるよ!!」

元気に言ったつもりだったけど心は大雨

「あ、もう4時だ!誠たち帰ってくるよな?もう帰ろっか」

「うん!!」

悲しさを紛らわせるように言った