大嫌いなはずなのに。

「ちょっとはやいよっ」
しばらく走るとお兄さんはいなかった

蒼が早すぎて息切れが止まらない…

「あ、わりい」

蒼はすっと止まって手を離した。

ちょっと名残惜しい気もする。

「ありがと」

「おう」

「もう帰ろっか?お腹も空いたし」

気がつけば夕日が見えていた

夕日をバックにふたりの影が並ぶ