「じゃあ俺後ろ向いてるから、早くボタンしめろ」

「うん」

以外と優しいとこあんじゃん

「ったく、バカだよな?ふつうついてかねーよ」

「だって!呼ばれたんだもん!」

「ったくあぶねえやつ。」

「はい。できたよ!」

「いくぞ」

またせちゃったーーーー

「ボタン掛け違えてる」

ええええええええ!?!?

「うそ!?」

「ここ」

そう言って私の胸を指差した

「本当だっ」

「バカだな。やっぱ。」

急いで直す。

「待たせてごめん」

「お前さぁ。俺が助けに来てなかったらどうなってたと思う?」

「ごめん。ありがと」



人生で一番の恐怖体験かも

さっきまでボタンが空いてるのに必死だったけど

怖かったよぉぉ



「おまえなに泣いてんだよ?」

泣いてるの…?私?

「怖かった…」

そう。すごく怖かったの

「早く行ってやれなくてごめん」

そう言って私の事をぎゅっと抱きしめられた

男の子に抱きしめられるなんて初めて


「うん」

「もう大丈夫だから」

「うん」

教室に帰ると山崎くんはいなくて

みんなに山崎くんは?って聞かれたけど

知らないよってこたえて


このことはなかったことにしたかった