夏の妄想短編集!

「へいへい、おごりますおごります
何食べたいの?」

太一は少し嫌そうな顔をする。

「...りんご飴」


太一は覚えてないんだろうな。
昔もこのお祭り来て、その時買ったりんご飴落としちゃって、わんわん泣いてる私に太一は言った。
“大人になったらたくさん食わせてやるからずっと隣にいろ”
って。
ずっと隣にいろって小さい頃だからそんな深い意味ないんだろうけどさ。

今思えばあの時から太一のこと好きだったなぁ。