あっという間に、屋上の前まできた俺ら。
俺と優は、真由と転校生を一歩後ろから見ている。
「なによ、これ。鍵かかってるわよ。」
「そりゃあ、桜凛の溜まり場だしね……。望さんが、そういうのには厳しいから。」
望(ノゾム)さんっていうのは、桜凛の副総長らしい。
早くおわんねぇかな。と、内心思ってると、後ろから人の気配がしてくる。
ちらり、と階段下を覗くと、桜凛の幹部以上が勢揃い。
……やべぇんじゃねぇの?
「……おい。真由、桜凛来たけど。」
「嘘っ!?や、ヤバいじゃない!逃げられな……」
「てめぇら……そこでなにしてる?」
目を見開いた真由。その先には桜凛の総長がいる。
俺は階段のとこに寄りかかってるから、丁度、俺の隣から登場ってことになる。