お姫様になりたくて


「…姫…、…姫…、姫香!」


「…はいっ!」


私は、誰かの呼ぶ声で目をあけ、
返事をした。


「なに、大きな声だしてー。寝ぼけてるんでしょ!」


「…あれ、ここは…?」


私はまわりを見回す。
いつもの見慣れた風景だった。


「…ったく!ここは学校。教室でしょ!
また、妄想しながら寝ちゃったんでしょ。」


「・・・・」


「とっくに授業終わってるよ!早く、食堂行こうよー。お腹すいちゃったー」


「…う、うん…」


「ほら、行くよ!席、無くなっちゃうよ。」


友人に急かされて、席を立つも、私は確かめずにはいられなかった。


「ごめん…私、今日は食堂はイイや…
パンにするから、食堂行ってきて。」


「うん…分かった…。じゃあ、行ってくるね。またあとでね。」


「うん。ごめんね。」


私は友人と別れて、すぐ図書館へ駆け込んだ。


千姫様たちのその後が気になって…